徳を積むとは?
仏教用語であろうと思われるが我が国の概念で
「徳を積む」という言葉がある。
人に金銭を与えたり、何か助けてあげたり、
笑顔を絶やさなかったり、褒めてあげたり、聴いてあげたり
すなわち あげる、与える行為を指すように思われる。
関西の言葉で(河内の言葉か?)
根性ババ色やと言われることがある。
小学生時分によく言われた。
これは自分のことしか考えない。人のことを
考えない人の行為を指す。
自信を持つことは素晴らしいことである。
しかしそれを誇らしげに人に語るとき
根性ババ色の人がいる。
いや自分自身でも「根性ババ色」に感じてしまう時がある。
武士道の中の謙譲の美徳を西洋に紹介したのは
クリスチャンの新渡戸稲造氏。
自分に力があることがわかっていながら謙遜し控える。
これも徳を積むことではないか?
と最近感じる。
15の年から続けている剣道の世界でもこの謙譲の美徳をもっておられる
人は剣道最高段位の八段の先生方に多い。
笑みを絶やさず、何も指摘せず、ただただご自身の後ろ姿で指導される。
どんな人からでも学ぼうとする。初心者の幼稚園児からも学ぼうとされる。
こちらの言うことはまず聞いてくださる。
八段は受審者の1%に満たない人しか受からない世界。
そこに到達するまでの努力がその人に徳を積ませる。
八段審査は5月1日2日の両日に京都武道センターで行われる。
静かに徳積された先生方の技を拝見したい。